家は生きている?


司会: めざす所は同じということで、“邪魔なもの”から少し印象が変わった感じなので、ちょっと変なことを聞きますが、最近、風水をやる方などがよく口にする『気』というものについてどう思われますか?

S氏:

『気』というのかは別として、家にも生き死にがあるとは思いますね。

D氏: 具体的にどういったことでしょう?

S氏:

家も人が住んでないと、2ヶ月くらいで木がやせてきたり、臭いがかわってきたりするんです。

D氏: 木がやせる?

S氏:

そうです。木の質がかわってくるんですよ。家全体もなんかカビ臭いような感じがしたり・・・。

D氏:

締め切ってあるからではなく?

S氏:

そうですね。もっと感覚的なもので、みんなそういう事を言いますね。木造の家でなくRCの家でも同じなのが不思議です。

司会:

それはやはりそこにある『気』のようなものということですね。

S氏:

そうですね。2,3ヶ月空き家になると、生気が失われるんです。

D氏:

実は、私たちは、家に『気』が残っているのはおおよそ2ヶ月と見るんです。ですから、家を建て替える時でも、2ヶ月間は壊してはいけないと・・・・。

S氏:

ほーーー

D氏:

面白い共通項ですね。気が残っている間に、壊したりすると自分の体に影響が出るといいます。だから家を建てるよりも壊すことのほうが怖いと・・・。

S氏:

変な言い方ですけど、家が“死んでから”壊すということですよね。

D氏:

そうですね。ですから、家に住んだまま大掛かりな増築だとか、改築をするというのは、私たちは良くないことと考えています。



司会:

増改築の話が出ましたが、今は家の大掛かりなリフォームというのも多いようですけど、建築家の目から見るとどうなんでしょう?

S氏:

僕はほとんどうけたことがありませんね。

司会:

それは何故でしょう??

S氏:

やはり、その家がどんな風になっているかがわからないからです。壁なんかもこわしてみないと、梁がどうなってるのかわからないこともありますし。   昔の日本の家は、柱も何も見えてますし、何よりもそこの家を最初からちゃーんとわかってる人がいたから、良かったんですよ。古い住宅なんか増築だらけです。

D氏:

今は家の建て方も変わった・・・・ということですね。

S氏:

今の家は、30年スパンで考えられてるんですね。もっと早くに建て直しちゃうケースも多い。長く住み続けるという概念でできていないものが多い訳です。

D氏:

住宅事情ということになると、昔とはかなり違っていますね。

S氏:

そうですね。昔みたいな家を建てようと思っても、もう建てられません。いくらかかるかわからない(笑)

D氏:

家相という点でみても、そうです。家相の良し悪しの前に、土地も大事ですから、今は本当に良い家相の家を建てるのは至難の業ですね。



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志柿敦啓建築設計事務所代表
志柿敦啓
[シガキアツヒロ]
・2007〜関西大学 非常勤講師(後期)
・2005〜関西大学,大阪市立大学,明石工業高等専門学校 非常勤講師(後期)
・2002 志柿敦啓建築設計事務所設立
・1993〜2001(株)竹中工務店設計部
・1993 早稲田大学大学院建築史研究室修了
著書
・2007関西電力主催「2006年度E・家・くらし 住まいの設計コンテスト」佳作入選(粉浜K邸)
・2006「AICAジョリパット施工例コンテスト」優秀賞(苦楽園M邸)
・2004第21回住まいのリフォームコンクール優秀賞(住吉K邸)
URL
http://cwoweb2.bai.ne.jp/s-archi/