子孫に残すもの

今回は弁護士の大西幸男先生がゲストです。大西先生とは旧知の関係ながら、あらためて運命学についてお話する機会は今までなかったそう・・。 同じ事務所で弁護士をしていらっしゃる小林先生もご参加くださってお話が進みましたが、人の悩みに接する仕事ということもあって、やはりそこには共通の思いがございました。

子供に注ぐ愛情とは…


代表:

あらたまって運命学のお話をするのもなんだか変な感じなのですが(笑)最初の質問はこれと決めているので、うかがわせていただきます。大西先生は運命学というものについて、どのように思っていらっしゃいますか

大西:

運命学・・・というと少し違うかもしれないけれど、人が“その人“でいるという事は口で説明できるものだけではないと思うんですね。同じ人間というだけで、まるで理解できないような事をする人がいるけれど、誰の中にも様々なものが入っていて、その中には善良なものも邪悪なものも混在していて、組み合わさる過程が、育った環境とか出会った人とかで変化するんじゃないかと思っています。そういう環境や出会いというのが運命ってものなのじゃないか・・・・と思いますね。

代表:

なるほど・・・・

大西:

そういう意味で、私はすごく運がいいと思ってるんですよ。自分の両親のもとに生まれた事をとてもよかったと思っているし、今までに出会った人にも実に恵まれています。

代表:

私達は、その生まれやその後の運命というものは、生年月日時に関係していると思っているんですね。例えば最近は遺伝子を調べれば、どんな病気になりやすいか?といった事がわかりますが、私達は生年月日時からそれを見極めていきます。さらに言うと、その病気がいつ起こるか?というタイミングも予測できます。 人との出会いということでも、良いタイミングに出会っているかどうか?というのはその後の結果に大きく影響していると考えています。人は自然の中で生かされている訳ですから、宇宙というと大げさに聞こえるかもしれないですが、そういう大きな力の影響の中にあるのは当然だと思っています。

大西:

それは、面白いですね。やはり人として生まれたさだめ、使命というのは、それぞれにあるものだと思いますね。

代表:

さて、今日は、相続ということでお話をうかがいたいのですが・・・。私達も相続に関しての相談を受けることは実に多いのですが、大西先生ももちろんそうだと思います。ちょっと漠然としていますが、いろいろな方と接している中で相続というものに関してお感じになってらっしゃる事などはございますか?

大西:

うーーん、なかなか難しい質問ですが、人の幸せということについて考えてしまいますね。仕事柄、個々の事案を詳しくお話することはできませんが、例えば一代で巨万といっていい富を築いていらっしゃるような方が、豪華なものに囲まれた生活ではあっても孤独なんですよね。家族もいらっしゃるけれど、孤独なんです。そういう事を見ると財産をたくさん持つことが幸せとは言えないなぁと思うわけです。日本は、戦後は特に豊かになること、自分の欲を満たす事に夢中になって、それが幸せだと思ってしまう人も多いけれど、結局は自分を愛してくれて、大切に思ってくれる人の多さが大切なんだと実感します。

代表:

まったくその通りですね。お金を持って死ねる訳じゃないですから。

大西:

人間死ぬ時は身一つ。欲を追いつづけて、死をむかえた時にその欲の行く末が問題です。

司会:

残されたもの達に、その欲が受け継がれてしまうと・・・・。

大西:

そうですね。結局は残された財産というのは、親のものであって、子供が作ったものではない訳です。でも、それが、さも自分のもののように思ってしまう所が問題だと思います。

代表:

運命学は中国で生まれた術ですから、考え方も中国のものが基本なのですが、財というのは「一代で稼いだもの、稼げるもの」という視点でみます。ですから、おっしゃるように親から受け継ぐ財産というのは、その人の「財」の能力とは考えません。

小林:

私達も、相続争いなんかを見ていると、結局それは親の財産であって、本当の意味では相続人の身にはつかないのだろうなぁと思う事は多いですね。まあ、相続の際に税金は発生しますから、自分の代で増やさないと、どんどん減っていくことになりますし。ですから、少なくとも、増やせる力量がないと維持する事は難しいということになってしまいます。

代表:

そうなんです。私達も相続の相談を受ける時には、子供にその能力が備わっているかというところを一番注意してみます。

大西:

親のほうは、たくさんのものを残してあげる、与えてあげることが愛情と思っている人も多いのでしょうね。でも、ものには「必要とする丁度いい量」というものがあって、それ以上を与えても意味がなかったり、悪い影響を与えたりするのと同じで、人にも器というのはありますから、器以上に与えても意味がないことですね。



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弁護士
大西 幸男
[]
・1941年 北海道生 早稲田大学卒業 昭和48年弁護士登録。 
・昭和53年に西銀座法律事務を設立(代表)し、現在に至る。
・主な取り扱い事件としては、一般民事事件(東京スモン訴訟など多数)や商事事件の他、
・相続などの家事事件を多数取り扱っている。
・東京地方裁判所調停委員、東京民事調停協会連合会副会長、世田谷区監査委員などを歴任。
著書
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